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未来をリードするメタミュージアム…釜山市立美術館の運営ビジョンおよびリノベーション計画発表

2023-12-22 297  ヒット
内容

부산시립미술관


□ 釜山市立美術館は、12月11日、新任館長の就任後初となる記者懇談会を開催し、美術館の新たなビジョンと今後の運営方針およびリノベーション計画を発表した。

○ 2023年10月16日に新館長に就任したソ・ジンソク(Seo Jin-seok)館長は、釜山市立美術館のリノベーション計画および今後の運営ビジョンの発表を行い、さらに、その実現に向けて推進していく主要事業について説明を行った。

○ 釜山市立美術館は1998年の開館以降、釜山の都市ブランディングに貢献し、また、クローバル化の進展に対応したローカル美術館として位置づけられている。開館25周年を迎え、老朽化が進んだ施設の改修および21世紀型美術館としての建築の在り方を提示するリノベーションを行う。


□ 釜山市立美術館リノベーション事業は、2026年の再開館を目途に2024年上半期に着工を予定している。展示エリアの改修(延べ面積2万2千295㎡、地下2階~地上3階建て)と収蔵施設の拡充が行われ、メインエントランスの改修やサービス空間の拡張など、観覧環境面についても改善が図られる。

○ 気候変動時代の「持続可能な美術館」への転換を目指し、脱炭素社会の実現などの新たな課題に取り組んでいく。また、個々に分離されたボックス型の展示空間から脱し、平面・立体・メディアなど、あらゆるジャンルで融合可能なフレキシブルな空間を確保する。

○ 公立美術館としての機能性と立地条件を活かし、館内と館外エリアの視覚的境界を取り払うことで屋内外の空間が一体化した第3の空間(リミナルスペース(Liminal Space):ある場所から別の場所へ移動する際の境界となる廊下や通路など)を拡大する。

○ コミュニケーションを促進するインタラクティブな多機能空間を設置し、隣接する都市からのアクセス向上のためにメインエントランスを改修し、観覧客の利便性を向上させる。また、市民へのサービス拡充を目的として野外彫刻公園で様々なコンテンツを試験的に導入するなどし、釜山市立美術館の認知度向上を図る。


□ また、「過去と現在を繋ぎ、未来を先導する」美術館として、新たな社会的機能を充足させる4つの中長期計画を樹立した。

❶ 「未来型芸術行政システム」を具現化し、中長期研究により新たな「芸術行政マニュアル」を提案する。

○ 美術館は、企画の瞬発力、組織の有機性、芸術ジャンルの拡張性、文化の先導性の向上を狙い、2024年下半期に世界的な芸術行政専門家を招き国際フォーラムを開催する。「未来型芸術行政システム」を具現化し、中長期研究を通して組織、予算、所蔵品管理等に関する新たな「芸術行政マニュアル」の提案を行う予定だ。


❷ 地方のグローバル化を目的とし、釜山地域の作家の発掘およびグローバルプロモーション事業を推進していく。

○ 美術館は、グローバル化が進展する中、開館展示「釜山美術再照明展」を皮切りに、ローカル美術館としてのアイデンティティを構築してきた。これまで培ってきた経験を基に、釜山が有する美術の文化的価値を世界にPRしていくことのできる釜山地域の作家の発掘およびグローバルプロモーション事業を推進し、グローカル(グローバル(global)とローカル(local)の合成語。グローバルな視点で考え、地域で行動すること)美術館への転換に向けた戦略を立てていく。 ○ 公募を通じて選ばれた作家に対しては、▲ポートフォリオのレビュー、▲国内外のキュレーターや批評家によるメンタリング、▲国内外での展示会開催(2024年~2026年にかけて)など、継続的な支援を行っていく。


❸ メタバース美術館を構築し、メタバースプラットフォームを基盤とした展示を行う。

○ 仮想空間の構築は、2021年の展示「オノフ(ONOOOFF)」に続き今回で2回目となる。今回、本館のリノベーション工事に伴い、常設展示「李禹煥(イ・ウファン)空間(Space Lee Ufan)」を除く全ての空間が休館となる。オフラインでの展示・観覧の縮小に伴い、メタバースプラットフォームを基盤とする展示を行っていく。メタ環境で実現可能なゲーム型美術館を構築し、展示・観覧、教育、文化行事などの多様なイベントを開催し、時空と階層を超えた新次元の芸術コンテンツを提供していく。


❹ アジア5か国の近現代を代表する美術館と協力網を構築し、文化芸術分野における国際競争力の強化を図る。

○ アジアの近現代美術史を韓国の視点でひも解き再解釈するとともに、海外の美術館との協力網を構築しアジア美術のハブとしての機能を果たし、 文化芸術分野における国際競争力の強化を図る。

○ 2024年下半期から2026年までの3年間、アジアを代表する5か国(日本、中国、韓国他)の近現代を代表する美術館と協業し、近現代美術史の共同研究、展示、出版を行っていく計画だ。


□ 釜山市立美術館はこれらの中長期計画を土台として、今後25年で「時間を越えた持続性」、「期待を越えた経験」、「境界を越えた関係」を芸術とリンクさせる「未来を先導するメタミュージアム」として生まれ変わらせる。

□ 釜山市立美術館のソ・ジンソク館長は、「文化の多様性、包容性、融合性を誇る都市である釜山は、韓国社会の文化的遅滞を補完できる無限の可能性を秘めている。」とし、「釜山市立美術館が都市に活力を吹き込み未来に先導していけるよう、融合的・複合的芸術を展開するハードウェアの再構築と21世紀型美術館の構築に向けたソフトウェアの強化に注力していく。」と述べた。


釜山市立美術館ホームページ:art.busan.go.kr