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Quantum Jump(量子跳躍)への道を拓く、釜山市とIBMが手を取り合った!
現在、釜山市では産業用アプリケーション開発事業の一環として、量子コンピュータの商業用での長期間活用の実現に向けた支援と、各産業および開発者への量子アドバンテージ(Quantum Advantage:量子コンピューターの有利性)の提供を行う量子コンピューティングシステムの構築の実現に向けた取り組みが行われている。
釜山市は、6月10日、量子コンピュータ技術開発のパイオニア、そしてグローバルICT企業である米IBM(International Business Machines Corporation)および韓国IBM(IBM Korea)と「量子コンピュータシステム構築に向けた了解覚書(MOU)」を締結した。
現在、これからの地域経済発展の原動力となる「量子コンピューティング」は、実用化を目指しIBM社との協力を多角的に検討している段階で、韓国の量子技術はまだ初期の段階にある。そんな中、本取り組みにより釜山市が量子技術力の底上げを牽引していけるものと期待している。
「量子コンピュータ(Quantum Computer)」は、量子物理学の特性(絡み合い、重ね合わせ等)を活かした次世代革新技術であり、スーパーコンピューターで解析に1万年を要する問題をわずか200秒で解析することができる「超高速演算コンピューター」として知られている。
昨年12月、韓国政府は「量子コンピューティング」を「10大国家戦略技術」の一つとして挙げて、2026年までに50キュービット*級の「量子コンピュータ」の開発および商用化、2030年までに量子人材1000人の育成など「量子コンピューティングシステム」の構築を目標に掲げた積極的な事業推進を行っている。
* キュービット(qubitまたは量子ビットquantum bit):量子コンピュータまたは量子情報の基本単位
「量子コンピューティング」とは、従来のコンピュータとは全く異なる新たな基盤のコンピューティング技術であり、現存のスーパーコンピュータでは解析が困難・不可能な問題を解決することができるテクノロジーだ。
多岐にわたるビジネス分野(医薬品の開発、次世代のバッテリー設計、腐食分析、自動車の構造解析、新素材の開発など)において抜本的な解決策を見出し、新たな価値の創出に向けて「戦略産業」を生み出せるポテンシャルを備えている。つまり、既存の産業に付加価値を加え、新たな成長産業の創出を可能にするものである。
世界最大規模の量子コンピュータを提供するIBMは、毎日、IBM Quantum System(クォンタム・システム)で数十億の回路を駆動する40万人を超える積極的なユーザーコミュニティを構築しており、同コミュニティでは、応用事例(バッテリー化学、海上運輸、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)素子の材料設計、マシンラーニング等)の開発だけでなく、1800編を超える研究報告書が出版されている。
釜山市は、IBMの「量子コンピューティング技術」を釜山地域の公共機関や研究機関などに提供することによりIBMとの継続的な関係を構築し、釜山地域内の商業用量子産業の育成に向けた公共投資サイクルの促進を図っていく。
お問い合わせ:投資誘致課(051)888-4462