「忠烈祠祭享」は、壬辰倭乱(=文禄の役)の際に釜山地方を侵略した倭敵(=日本軍)との戦いで、その数が多くて敵対してもかなわなかったが、国を守るという一心で自分の命を犠牲にした殉国烈士の護国精神と崇高な精神を賛えるため、毎年5月25日釜山市民が心を合わせて行う祭祀だ。
開祭宣言 → 祭官再拝 → 参拝者拝礼 → 首位殿焚香 → 配、従位殿焚香 → 首位殿献杯 → 配、従位殿献杯 → 祝文朗読 → 大統領獻花焚香(市長代行) → 追悼の辞 → 参拝者焚香 → 祭官再拝 → 参拝者拝礼 → 閉祭宣言 → 焚祝
忠烈祠の祭享は、挑戦王朝の儒教的政治理念に基づいた生活哲学が具体化された儀式で、私達の地元の士が自主的に壬辰倭乱(=文禄の役)のとき、倭敵(=日本軍)と戦い壮烈な最後を遂げた東萊府使である宋象賢(ソン・サンヒョン)公と民の英霊・霊魂を宋公祠に奉安し、祭享を行ったことから始まった。
毎年陰暦2月と8月の中丁日に祭享を行うが、祭享の約10日前に歴代の安楽書院長で構成された院会を開催し、祭官を選出する。祭享を行う際の安楽書院長が初献官(祭祀を進める人)となり、祭享の手続きは『周禮』と『禮記』などの礼法に従って笏記(儀式の順番などを記録したもの)により行われる。
国を守って殉死した英霊・霊魂を奉安する際、府使・郡守・僉使をはじめ、 忠僕•愛妾までその功をたたえて奉安したことは、他の地域では見られない特徴であり、祭享のとき女祭官が参加することも稀にないことだ。また、東萊儒林で約350年間も続いて行われている儀式で、現在でも昔の方式通り行われていることもこの祭享の特徴だ。
現在(財)忠烈祠安楽書院で伝承・保存に努めている。