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- 今年は「釜山ハングル学堂」で韓国語をマスターしよう 昨年12月、釜山グローバル都市財団の外国人留学生支援センターが、拠点韓国語センター「釜山ハングル学堂」に指定された。今回の拠点韓国語センターへの指定は、釜山市が教育部と共同で推進する「スタディ・コリア300Kプロジェクト(Study Korea 300k Project)」の一環である。このプロジェクトは、留学生教育の競争力向上を目的としており、地域ごとに韓国語センターを指定・運営することが推進課題の1つだ。△釜山ハングル学堂は釜山グローバル都市財団が運営している。写真は釜山ハングル学堂の看板。 釜山ハングル学堂では、今年から地域の留学生を対象に多様な教育プログラムを実施する。TOPIK(韓国語能力試験)・TOPIKスピーキング1~6級取得講座、エッセイ・履歴書・論文の個別添削、韓国語ネイティブスピーカーとのマンツーマン会話レッスン、韓国語学習支援のメンター・メンティプログラム、韓国文化体験プログラムなどを提供する予定。一方、拠点センターに指定された釜山グローバル都市財団は、2006年から外国人住民を対象に無料韓国語講座を運営している。優れた講師陣と体系的なプログラム管理により、毎年95%以上の高い満足度を記録している。
- 知っておくと役に立つ韓国語 ①「マッチプ(맛집)」 韓国人がよく使う言葉「マッチプ(맛집)」、どんな意味か知っていますか?韓国語の「맛집」は、美味しさや風味を表す「マッ(맛)」と、家や場所を意味する「チプ(집)」が組み合わさった複合語です。一般的に「マッチプ」は料理が美味しく、高級な料理で人気のある店を指します。 また、食べ物に限らず、他の単語を前につけて、さまざまな特徴を説明する際にも使われます。例えば、「オーシャンビュー マッチプ(오션뷰 맛집)」は眺めのいい海の景色が楽しめる店を指し、「プンウィギ マッチプ(분위기 맛집)」は他の店では見られないインテリアや小物がおしゃれな店を意味します。
- ビデオアートの創始者、代表作が一堂に 「ナムジュン・パイク、ナムジュン・パイク、そしてナムジュン・パイク」韓国内外から160点以上の作品を展示…釜山現代美術館で3月16日まで「ビデオアートの父」として知られる白南準(ナムジュン・パイク、백남준)の代表作を鑑賞できる展示会が釜山で開かれる。乙淑島(ウルスクト、을숙도)にある釜山現代美術館は、1階の展示室4と2階の展示室5で、特別展示「ナムジュン・パイク、ナムジュン・パイク、そしてナムジュン・パイク」を3月16日まで開催している。20世紀を代表するアーティスト、ナムジュン・パイクは、ハプニング(偶然性を尊重したパフォーマンスや展示を行う芸術形式)やパフォーマンスアート、テレビや放送、人工衛星、複数台のテレビに映像を映す表現方法やレーザーまで、多様な技術を駆使し、実験的で創造的な作品を発表している。新しい技術と芸術に絶えず挑戦し続けたナムジュン・パイクは、今日でも「最も現代的な芸術家」として評価されている。△ ナムジュン・パイクが1964年に制作した「ロボット K-456」は、人間のように歩き、話し、さらには排泄行為まで再現する。(写真提供: 釜山日報)釜山現代美術館と白南準アートセンターが共同企画した今回の展示は、ナムジュン・パイク没後に行われた回顧展の中で韓国最大規模。白南準アートセンター、国立現代美術館、蔚山(ウルサン、울산)市立美術館、慶尚北道(キョンサンプット、경상북도)文化観光公社、フランクフルト現代美術館など、韓国内外の美術館から貸与された合計160点以上の作品、写真、映像、アーカイブ資料などが展示される。展示は、1961年のパフォーマンスビデオ「手と顔」から始まる。この作品は、作家が自らを芸術の媒体として扱い、芸術的な自我を認識していたことを示す初期の作品である。1962年の作品「フルクサス・チャンピオン・コンテスト」は、さまざまな国の作家たちがバケツの周りで排尿しながら、自国の名前を叫ぶパフォーマンスで、社会や芸術の権威に挑戦するナムジュン・パイク特有のユーモアが光る作品だ。1963年のナムジュン・パイク初の個展「音楽の展覧会ーエレクトロニック・テレビジョン」の作品も鑑賞できる。また、「Zen for TV」、「Magnet TV」、「TV Crown」など、当時の展示の臨場感をそのまま感じられる写真も公開される。ナムジュン・パイクが製作した最初のロボット「ロボット K-456」も展示されている。阿部修也など、日本のエンジニアと共に制作したこの作品は、20チャンネルのリモコンを使って遠隔操作が出来るロボットで、街を歩き回りながらジョン・F・ケネディ大統領の演説を再生したり、まるで排便するかのように豆を排出するパフォーマンスを行った。阿部修也が描いたロボットの設計図や、ナムジュン・パイクと阿部が交わした手紙の原本も一緒に展示されている。また、ナムジュン・パイクと長年コラボレーションを行ったチェロ奏者であるシャーロット・モーマンの「TVチェロ」や「オペラ・セクストロニック」も鑑賞することができる。△ 1961年作「手と顔」(写真提供: 釜山現代美術館)映画館では、ナムジュン・パイクの代表的なビデオ作品15点を大型スクリーンで上映する。自身の芸術について語るインタビュー形式のビデオ「ナムジュン・パイク:テレビのための編集」をはじめ、「ジョン・ケージに捧ぐ」、「Tiger Lives」など、ナムジュン・パイクの芸術世界を貫く映像作品を観ることができる。さらに、アメリカ人監督アマンダ・キムが制作した2023年のドキュメンタリー「ナムジュン・パイク:月は最古のテレビ」も公開される。このドキュメンタリーは、ナムジュン・パイクを20世紀初のデジタルクリエイターとして捉えた、新しい視点が紹介されている。△ 1974年作「TVブッダ」(写真提供: 釜山現代美術館)1階と2階を結ぶ空間では、「ケージの森/森の啓示」を鑑賞することができる。この作品は、ナムジュン・パイクの大規模なインスタレーション作品の中で一番の注目作で、8mの高さの木々が森を成し、その枝にモニターが取り付けられた作品だ。巨大なガリバー・ロボットと、その周りを18体の小さなロボットが取り囲む作品「Gulliver」も展示されている。展示のクライマックスは、2000年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で最後に発表されたレーザー作品「Three Elements」だ。その向かい側には、韓国の歴史的な激変からナムジュン・パイク個人の深い煩悩までを108台のテレビモニターを通し、短く分割されたビデオで表現した作品「The 108 Torments of Mankind」がある。この作品は1998年の「慶州(キョンジュ、경주)世界文化エキスポ」のために特別に制作されたが、今回の展示で再公開されている。展示は毎週火曜日から日曜日の午前10時〜午後6時まで。休館日は毎週月曜日と1月1日。観覧料は無料。詳細については釜山現代美術館の公式サイト(busan.go.kr/moca)へ。△ 1993年作「ジンギスカンの復権」を鑑賞する子どもたち。(写真提供: 国際新聞)
釜山を楽しむ
- 釜山「地方庭園」第1号に続き、韓国で3番目の「国家庭園」を目指す 2025年はへび年、今年の「乙巳」という干支から韓国では「青蛇の年(청사년)」とも言われる(乙は「青」、巳は「蛇」を表わす)。2025年、釜山は大きな変化の時を迎える。自然と都市、そして、そこから生まれる物語が、青い蛇のように姿を変え、新しく生まれかわる。「だから釜山」では、読者の皆さんに釜山の移り変わりを実感できるスポットを紹介する「釜山の道を歩く」シリーズを連載する。その第一弾として、韓国で3番目の国家庭園を目指す洛東江(ナクトンガン、낙동강)河口の道を紹介する。都市鉄道3号線の亀浦(クポ、구포)駅2番出口を出ると、川沿いの道へとつながる。遠くまで続くこの道は、桜並木のトンネルになっている。春は桜が舞い、夏は青葉が茂り、秋には紅葉が美しい道だ。20分ほど歩くと三楽(サムラク、삼락)ICが見える。△三楽生態公園の黄金色に輝く葦の群生は、その幻想的な景観から人気のフォトスポットになっている。(写真:権晟勲)ここで川沿いの道を離れ、右手の江辺(カンビョン、강변)大路の下にある地下道を抜けると別世界が広がる。目の前には広大な川が流れ、その風景はまるで海のようだ。洛東江は韓国で最も長い川で、510kmの流れの果てに海に至る。どこまでも、一面が野生の葦(アシ)で覆われたこの地は、三楽生態公園だ。三楽生態公園は文化財保護区域に指定されている。洛東江下流一帯は、毎年多くの渡り鳥が訪れる重要な越冬地で、これを保護するために1966年7月23日、国家指定文化財・天然記念物第179号に指定された。さらに、1999年8月9日には湿地保護区域としても指定されている。わずか15年前までは、三楽生態公園一帯にビニールハウスが広がっていた。ところが、2009年の「4大河川再生事業」により、現在の姿へと生まれ変わった。広大な湿地や葦の群生が復活し、渡り鳥の餌場、季節の草花を楽しめるエリア、芝生の広場に加え、自転車道、屋外プール、オートキャンプ場、水上レジャースポーツタウンなども利用できる。また、公園内には中央公園をはじめとする4つのパークゴルフ場がある。9ホールから最大36ホールまであり、障がい者専用のゴルフ場も完備されている。△三楽生態公園のパークゴルフ場は、老若男女を問わず人気のエリア。(写真:権晟勲)釜山市は2023年8月に三楽生態公園を第1号の地方庭園に指定した。「地方庭園」とは、地方自治体が造成・運営する庭園のことを指す。関連する法律によると、「庭園」とは、植物、土や石、造形物などを展示・配置したり、栽培・手入れを行うことで継続的に管理される空間を意味する。釜山市は、三楽生態公園とともに、洛東江河口の公園を国家庭園として整備する計画を進めている。「国家庭園」とは、国が管理する公共の庭園のことで、自然環境をより体系的に保護し、観光名所として活用できるというメリットがある。この豊かな自然の中を歩くと、たった15分で心と体をリフレッシュできる。釜山初、そして韓国最大の洛東江国家庭園の指定を目指す三楽生態公園。その公園内にある「メンコンイ(カエルの一種、맹꽁이)の道」を歩きながら、渡り鳥と人が共存する「釜山の道」を楽しんでみては?△冬の間、渡り鳥たちの住まいとなる三楽生態公園。(写真:権晟勲)
- 釜山の冬の海を満喫する3つの方法 釜山の海を楽しむには夏が一番だと言われるが、釜山の冬の海には他の季節や地域では味わえない特別な魅力がある。息をのむほど美しいオーシャンビュー、空から見下ろすスリル、波がもたらす爽快感まで「だから釜山」では、釜山の冬の海を最大限に楽しむ3つの方法を紹介する。 ■ 海を眺めながら、のんびりとした時間を 「海雲台ブルーラインパーク」△海雲台海辺列車。(写真提供: ビジット釜山)「海雲台(ヘウンデ、해운대)ブルーラインパーク」は、2020年に旧東海(トンへ、동해)南部線の廃線となった鉄道区間(4.8km)を再開発して作られた観光施設だ。ここを走る海辺列車は時速15kmでのんびりと進む。高層ビルが立ち並ぶマリンシティ、美しい広安大橋(クァンアンテギョ、광안대교)、静かな雰囲気の青沙浦(チョンサポ、청사포)、趣のある松亭(ソンジョン、송정)駅などを巡ることができる。車両内には大きさ約1.8mのガラス窓が設置されており、開放感あふれるオーシャンビューを楽しめる。△オーシャンビューを楽しめる海雲台海辺列車の車内。(写真提供: ビジット釜山)尾浦(ミポ、미포)停留所から出発し、列車はタルマジトンネル(달맞이 터널)、青沙浦停留所、タリットル(다릿돌)展望台、九徳浦(クドッポ、구덕포)、松亭停留所(旧松亭駅)など6つの停留所に停車する。特に気になる風景を見つけたら、降りて散策してもいいかも。列車の路線沿いには、きれいに整備された遊歩道が設けられている。遊歩道の途中にある階段を下りると、美しい海を背景に香り豊かなコーヒーを味わえるカフェが点在している。家族や恋人とゆったりと楽しみたい方には「スカイカプセル」がおすすめ。尾浦駅の2階から出発するスカイカプセルは、2人から最大4人まで乗車可能。海辺列車の線路横に設けられた高さ7~10mのレール上を時速4kmでゆっくりと走る。尾浦駅から青沙浦駅まで約2km。高台からの景色を味わえ、釜山の海を独り占めしたような気分を味わえるのが魅力だ。◎海雲台ブルーラインパーク ・住所:海雲台区青沙浦路116 ・問い合わせ: 051-701-5548 ・ホームページ(予約・詳細情報): bluelinepark.com ■ 空から見下ろすスリル満点の海「釜山エアクルーズ」いつもと違う視点で海を楽しみたいなら、西(ソ、서)区にある松島(ソンド、송도)海水浴場に行ってみよう。松島海水浴場には、2017年から運行を開始し、釜山を代表する観光施設となったロープーウェイ「釜山エアクルーズ(Busan Air Cruise)」がある。△空から見た釜山エアクルーズと松島クルム。(雲、구름)散策路(写真提供: ビジット釜山)松島海水浴場の東端に位置する松林(ソンニム、송림)公園からスタートし、海水浴場の南側にある岩南(アンナム、안남)公園まで1.62kmを往復するキャビンからは、松島海水浴場、南港(ナマン、남항)大橋、波が打ち寄せる奇岩絶壁の景色を一望できる。最高地点の高さ86mから見下ろす海の景色は、スリルと感動を与えてくれる。さらに、床まで全面ガラス張りの「クリスタルクルーズ(Crystal Cruise)」は、より一層のスリルを味わうことができる。△スリル満点、床が透明なクリスタルクルーズ。(写真提供: ビジット釜山)車両内にはBluetoothスピーカーが備えられており、スマートフォンから好きな音楽を再生することも可能だ。目的地である岩南公園の松島スカイパークでは、ギャラリー、カフェ、レストランなどの休憩施設や展望台が利用可能。3階の展望台では、キャビンから見た広大な海の景色をもう一度満喫することができる。◎釜山エアクルーズ ・住所:西区松島海辺路171 ・問い合わせ:051-247-9900 ・ホームページ(予約・詳細情報):en.busanaircruise.co.kr ■ 寒さを忘れるほどの爽快な波「松亭 冬のサーフィン」夏の風物詩と言えば、サーフィン。ところが、サーフィン愛好家たちはむしろ冬の到来を心待ちにする。冬は夏よりも風が強く、絶えず良い波が打ち寄せるため、サーフィンを楽しむには最適な条件が整う。また、ビーチが混雑しないため、ゆったりと波乗りを楽しめるのも魅力の1つだ。さらに、冬の海ならではの澄みきった空気感が心地いい。△松亭海水浴場で冬のサーフィンを楽しむサーファーたち。(写真: 権晟勲)海雲台区にある松亭海水浴場は、冬のサーフィンの聖地として知られる場所だ。大小さまざまな波が立ち、初心者から上級者まで誰でも楽しむことができる。また、サーフィンをする人が多いため、コミュニティ活動も盛んだ。サーフショップやサーフィンスクールなども充実しており、冬の海水温が摂氏10度を下回らないのも人気のポイント。道具をしっかり用意して海に出れば、陸地よりも海の中のほうが暖かいと感じるほどだ。体温を保って、冬のサーフィンを楽しむための必須アイテムは、厚さ5㎜以上のウェットスーツやブーツ、グローブ、サーフキャップなど。松亭海水浴場では、「サーフホリック(Surfholic)」などの専門店でレンタルも可能。◎松亭海水浴場 ・住所:海雲台区松亭洞232-1
- 大切な人と日の入り・日の出見に行こう ワイドアングルで見る釜山-日の出、日の入りの名所今年も残すところあとわずか。2024年を締めくくり、新年に備える時期だ。家族や恋人、友人と一緒に、釜山のロマンチックな日の入り、日の出を見に行ってみよう。釜山を基準に、今年最後の日の入りは12月31日の午後5時22分。来年の初日の出は2025年1月1日の午前7時33分。■釜山日の入りの中心地多大浦海水浴場、峨嵋山展望台△多大浦海水浴場は、1年の締めくくりにぴったりな釜山で指折りの夕陽スポット。写真は夕暮れ時に海岸を歩く家族。 写真提供:沙下区釜山日の入りの中心地は、西エリアにある多大浦(タデポ)海水浴場近く。多大浦海水浴場は、釜山きっての夕陽の名所。夕焼けが海を赤く染め、夕闇が行き交う人や通りを包んでゆく。峨嵋山(アミサン)展望台は多大浦海水浴場を見下ろせ、さらに雄大な日の入りが鑑賞できるビューポイント。夕陽や一筆書きしたような砂州、薄暗い空を飛び回る渡り鳥の群れなど、どこを切り取っても絵になる釜山の代表的な夕陽スポットだ。〇多大浦海水浴場住所:沙下区没雲台1ギル14〇峨嵋山展望台住所:沙下区多大落潮2ギル77■夕陽に染まり、異国情緒あふれる長林浦口 ひと味違った場所で日没を楽しみたければ、長林浦口(チャンニムポグ)がおすすめ。インスタ映えするフォトゾーンが人気で、韓国で他にはない異国情緒あふれる雰囲気から、通称釜山のベネチア「ブネチア」として知られている。夕暮れ時、ブネチアサンセット展望台から海に夕日が少しずつ溶け込み、色とりどりの建物が徐々にオレンジ色に染まる。〇住所:沙下区長林路93番ギル72■新年の日の出スポット、青沙浦タリットル展望台最近オープンした青沙浦(チョンサポ)タリットル展望台は、新年の日の出が見られるスポット。海水面から約20mの高さに建てられ、U字型で、展望台からは青沙浦の美しい海の景色と日の出を存分に楽しめる。展望台の端には半月形の透明な床が設置されており、海の上を歩いているようなスリルを味わえる。〇住所:海雲台中洞山3-9
フード
- 体も温まって栄養満点の 「テジクッパ」と「ソルロンタン」 冬の寒さが厳しい日は、厚着をしても熱いお茶を飲んでも、冷えた体がなかなか温まらない。そんな時、韓国人は迷わず熱々のクッパを食べに行く。なぜクッパなのか?テジクッパ(豚肉クッパ)とソルロンタン(牛骨スープ)は、韓国を代表するクッパのメニューだ。クッパとは、ご飯をスープに入れて食べる料理のことを指す。米を主食とする国は、中国、日本、インド、ベトナム、中央アジアなど多岐にわたるが、特に韓国でクッパをよく食べるようになった理由は、地形的・文化的な特性にある。朝鮮半島の冬の平均気温は約2℃で、1年で最も寒い1月には平均-7℃まで下がる。冬の期間も12月から2月までの3か月間と長い。さらに、朝鮮半島の土壌を詳しく調べると未成熟な土壌(大部分がエンティソルとインセプティソル)で、農業には必ずしも適した土地ではないとされている。△釜山では、テジクッパにニラや特製のタレを入れて食べるのが一般的。(写真提供:ゲッティイメージバンク) 冬は寒さが厳しく長いうえに、土壌も豊かではないため、朝鮮半島に暮らしてきた人々は昔からスープ料理を好んできた。スープは体を温める効果があり、少ない材料でもたくさん作ることができるからだ。韓国の食卓にスープ料理が欠かせないのも、ここに由来している。さらに、韓国で主に栽培される米の品種もクッパに適したものだった。韓国人がよく食べるのはジャポニカ米であり、これは炊き上げるとインドや東南アジア、中央アジアなどで栽培されるインディカ米よりも粘り気があり、ツヤが出る。そのおかげで、スープにご飯を入れると、米にスープの旨みが染み込み、口当たりも滑らかになる。一方、インディカ米でクッパを作ると、スープと米がうまくなじまず、口当たりが悪くなってしまう。また、韓国人特有の効率性を重視する「パリパリ(早く早く、빨리빨리)」文化も、クッパが広く普及した理由の1つだ。他の料理に比べて調理時間が短く、1杯のクッパで炭水化物・タンパク質・脂質といった必須栄養素をバランスよく摂取できるためである。◎ テジクッパの名店:シンチャンクッパ(신창국밥)1969年に国際市場の新昌洞(シンチャンドン、신창동)で創業し、その地名にちなんで名付けられた。ここは、澄んだスープのテジクッパを生み出した店として知られている。新鮮な食材を使用し、昔ながらの「トリョム」(どんぶりに何度もスープをかけて温めては鍋に戻す過程)を守り続けている。また、手作りの北朝鮮式スンデも人気の一品。2024年には釜山の郷土料理店として認定された。住所:西区宝水大路53営業時間:午前9時~午後9時(定休日、日曜日)電話番号:051-244-1112似ているようで違う、テジクッパとソルロンタン韓国にはさまざまなクッパがあるが、冬の寒さで冷えた体と心を温めるには、テジクッパとソルロンタンが一番だ。釜山の郷土料理であるテジクッパは、豚の骨をじっくり煮込んだスープにたっぷりの豚肉を入れ、ご飯と一緒に食べる。テジクッパは、ほかのクッパと違い、豚肉特有の濃厚な風味が際立つ。店によっては豚の内臓やスンデ(豚の腸詰め)を入れる店もある。そのままでも美味しいが、ニラやアミの塩辛を入れて味を調整したり、粉唐辛子などを混ぜた特製のタレを入れることで、まったく違う味わいを楽しめる。 △ソルロンタンに刻んだネギをのせると、ネギの香りとシャキシャキとした食感を楽しむことができる。(写真提供:ゲッティイメージバンク)一方、ソルロンタンは牛の足の骨や膝軟骨などを長時間煮込んで作り、こちらもご飯と共に食す。テジクッパが釜山の郷土料理なら、ソルロンタンはソウルの代表的な郷土料理と言える。長時間じっくり煮込むため、スープは濃厚な乳白色をしていることが多い。スープに入れる肉は、主に牛のばら肉やすね肉が使われる。刻んだネギをたっぷりのせるのが特徴で、ネギのピリッとした風味がスープの旨みと絶妙にマッチする。◎ ソルロンタンの名店:ソウルカクトゥギ(서울깍두기)1956年創業の店で、長年にわたり南浦洞(ナンポドン、남포동)の代表的な名店として知られている。2002年にはAPEC公式レストランにも指定された実績を持つ。その名の通り、ソウルの代表料理であるソルロンタンを、しっかり熟成したカクテキと一緒に提供している。スープは濃厚で、肉は柔らかく煮込んであり、食べやすいのが特徴。シャキシャキとした食感のカクテキは、ほのかな甘みがあり、食欲をそそる一品だ。ここではソルロンタンだけでなく、コプチャン(ホルモン)や牛のすね肉だけを煮込んだコムタンも楽しめる。住所:中区 九徳路34番ギル8営業時間:午前8時~午後8時30分電話番号:051-245-3950
- 今年も頑張った自分に、デザートでご褒美を! 釜山の味 釜山のデザート人気店人間は美食を求めて進化してきた。忙しさやダイエットで我慢したかもしれないあなた、今年もがんばった自分へのご褒美に、甘いデザートはいかが。△田浦カフェ通りのカフェ「ステート」のケーキとクリスマスの飾り 写真:権晟勲 ■「チョコレート」の名家・ゴディバベーカリーコネクト現代店ベルギー創業の国際的なチョコレートメーカー「ゴディバ」が経営する、パンに特化したブランド「ゴディバベーカリー」が、釜山コネクト現代(旧 釜山現代百貨店)に入店した。人気メニューは柔らかいチョコクリームがたっぷり入った「チョコソラパン(チョココロネ)」で、価格は1個4900ウォン(約550円)。タンザニア産のカカオを75%配合している「ショコラティエのタンザニア75%ソラパン」は1個5500ウォン(約610円)。ガーナカカオ配合率40%の「ショコラティエガーナ40%ソラパン」は1個5500ウォン。 平日でも開店前から行列ができるほど人気のため、1階の売り場で事前に整理券をもらい、コネクト現代の店内を見ながら待つのがおすすめ。〇看板メニュー:ゴディバが作ったソラパン(韓国語:고디바가 만든 소라빵、ゴディバガマンドゥンソラパン)4900ウォン〇営業時間:午前10時30分~午後9時〇住所:釜山市東区凡一路125、コネクト現代1階■目で楽しめる可愛いタルト…ボノベリーボノベリーはタルトとケーキを販売するデザートカフェで、韓国の各マスコミでも紹介される人気店。釜山大学近くと海雲台(ヘウンデ)区庁の近くにそれぞれ店舗がある。マンゴーやシャインマスカット、ピンクグレープフルーツなど、市場から毎日仕入れる旬の果物をふんだんに使用。フレッシュな果物と口当たりまろやかなクリーム、よく焼き上がったタルト生地のコントラストで、さくっと心地よい食感も特徴だ。カットされたピースケーキも人気で、ブラックコーヒーや紅茶とセットで頼めば、より風味が楽しめる。 〇看板メニュー:ピンクグレープフルーツタルト7500ウォン(約840円)、クレープケーキ7500ウォン〇営業時間:午前10時~午後10時〇住所:[釜山大店]釜山市金井区長箭温泉川路67-1、1~2階 [海雲台店]釜山市海雲台区中洞1路25-2、1階■華やかなクリスマス装飾…カフェ「ステート」田浦(チョンポ)カフェ通りで最も綺麗なクリスマスツリーがあるカフェを選ぶなら、ここは外せない。庭の豪勢なツリーを見ながら、華やかなインテリアの中で甘いケーキとドリンクを楽しむ至福のひととき。カフェの雰囲気だけでなくケーキもおいしいと評判で、濃厚なチョコレートが味覚を刺激するチョコケーキやベイクドチーズケーキ、最近人気のドバイチョコレートを使用したドバイサンドケーキなど、さまざまなメニューが並ぶ。ホールケーキも販売しているため、パーティーやプレゼントにもおすすめ。〇看板メニュー:各種ピースケーキ7500~8500ウォン(約840~950円)〇営業時間:午後12時~10時〇住所:釜山市釜山鎮区東成路71番ギル28
- 海産物と言えば「チャガルチ」! 釜山の味 チャガルチ市場果物など食べ物がおいしい秋は過ごしやすく、釜山を代表するグルメ・刺し身もひときわ味わい深くなる。ワタリガニやズワイガニ、牡蠣など、魚介類好きにはたまらない季節。新鮮な魚介類と活気にあふれた韓国最大の水産市場「チャガルチ市場」は、旬のものでいっぱいだ。△チャガルチ市場で食べられるブリの刺し身セット。■定価販売制で信頼できるチャガルチ市場チャガルチ市場は韓国を代表する水産物市場。一般的なアクアリウム(水族館)と比べても引けを取らないほど、多くの海の生き物が見られる。新鮮な魚や貝類、活気に満ちた商人たちを見るだけでも楽しくなる。産地から近いため、ソウルなどの他都市より新鮮で価格も手頃だ。チャガルチ市場は1922年、釜山漁業協同組合が水産物の委託販売事業を始め、周辺エリアを中心に形成された近代的な市場。元々都市鉄道(地下鉄)1号線のチャガルチ駅周辺の水産市場一帯をまとめてチャガルチ市場と呼んでいたが、2003年の市場現代化事業により、現在では新たに建てられたチャガルチ市場の建物を指す。建物は地下2階、地上7階で1階は活魚やテナガダコ、ホヤ、ナマコなど各種魚介類を販売する水産物コーナー。2階には「チョジャンチッ」と呼ばれる刺し身センターや食品、乾物の販売場がある。「チョジャンチッ」では1人あたり決められた金額を支払うと、座席とともに刺し身を食べる際に必要なチョジャン(酢コチュジャン)や包み野菜、おかずなどが出され、刺し身一式をセッティングしてくれる。1階で食べたい魚や魚介類を購入し、2階のチョジャンチッで食べる仕組みだ。△新鮮なタラバガニを手に取って見せているチャガルチの商人。市場は定価販売制で、その日の時価によって価格が変動する。水槽やたらいで泳ぐ生きた魚介類は通常、1㎏あたりの価格が掲示されており、重さを計って価格を決める。価格はどの店も均一で、食べたいものがある店や気に入った店を選んで買ってみよう。■チャガルチ市場での海産物の食べ方1.海産物選び:1階の水産物市場で魚介類を選び、購入する。定価販売のため価格はどの店も均一で、見ながら選べる。秋、冬はブリやマダイ、ヒラメ、クロソイなどがよく食べられ、エビやズワイガニ、ホタテなどの貝類も人気だ。2.食べる場所選び:魚などを購入すると、その場で刺し身におろしてくれる。テイクアウトするか、2階のチョジャンチッで食べられる。チョジャンチッを選ぶと、スタッフが2階まで案内してくれる。3.おいしい食べ方:チョジャンチッの基本セッティング代は通常5000ウォン(約550円)で、アルコールやソフトドリンク、メウンタン(魚の辛味スープ)、ご飯などの追加注文も可能。ズワイガニやロブスターなどは、蒸し代が追加になる。〇住所:釜山市中区チャガルチ海岸路52 チャガルチ市場(ハングル)부산시 중구 자갈치해안로52 자갈치시장〇アクセス:都市鉄道1号線南浦(ナンポ)駅2番出口から約250m〇営業時間:午前5時~午後10時。店によって時間の違いあり。ラストオーダーは、通常午後8時30分。※毎月第1、3週目の火曜日は定休日。